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INTERVIEW

想いを込めた「お誂え」が未来のお客様にまでつながっていく

矢島 里佳
株式会社和える 代表取締役

「次世代に日本の伝統をつないでいくこと」をミッションとしている株式会社和える 代表の矢島さん。常にお客様の「想い」に寄り添い、“今”だけでなく“未来”にも長く使える商品を生み出してきたご経験から、想いを込めた「お誂え」をすることの意味について語っていただきました。

日本の文化・伝統に魅せられて

私自身、千葉の新興住宅地で育ち、日本の文化や伝統というものとは縁遠い暮らしだったためか、幼少期からそういったものへの憧れがありました。

中高時代には茶華道部に入り、お茶室や茶道具などの伝統工芸品に囲まれて過ごす時間がとても心地よく「日本にあこがれる日本人」という感覚がありました。

大学にはジャーナリストを目指して進学し、縁あって大手旅行会社の会報誌で全国の職人さんたちを紹介する記事を書く機会をいただきました。取材をする中で、魅力的な日本の伝統が生まれる瞬間を目の当たりにし、「日本の伝統を次の世代につなぐ」仕事がしたいと想い、2011年に株式会社和える を立ち上げました。

幼少期から日本の伝統に触れられるブランド “aeru”

“0歳からの伝統ブランドaeru”では、生まれた時から大人になっても使い続けていただける商品を、全国の職人さんと一緒にオリジナルで作り展開しています。

一番最初の商品として、生まれてくる赤ちゃんを「日本の“あい”でお出迎えしたい」という想いから商品化した『徳島県から 本藍染の 出産祝いセット』が誕生しました。オーガニックコットン生地で作られた産着・靴下・フェイスタオルを、ジャパンブルーとも称される藍勝色(紺色よりもさらに濃い、深い藍色)になるまで、本藍染職人さんが約30回にもわたり手染めしています。

 手間暇かけて作られたこの商品は、生まれたときに初めて贈られ、その後その方が大人になったとき、ご自身がいかに周囲に愛されてこの世に生まれてきたかをご実感いただけるよう、桐箱に入れてもう一度贈ることのできる商品です。aeruの商品は、贈られた瞬間だけでなく、将来的にその商品をどのように使っていただきたいか、引き継いでいただけるか、まで考えたデザインになっています。

aeruの商品を使っていただくことで、幼少期から暮らしの中で日本の伝統の優しさや魅力を体感してもらい、大人になったとき、自然と日本の伝統を次世代に 伝えていただければと考えています。

お客様の「想い」と職人さんを“和える”「お誂え」

株式会社和えるでは、以下の3点が達成しているかということを考え事業・サービスを提供しています。

  1. 日本の伝統が次世代につながること
  2. 三方よし以上か
  3. 文化と経済の両輪が育まれるか

1.はこれまでにお話をしてきたことですが、2.についてはステークホルダーが多くなっている現代で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人さんの理念以外にも環境やグローバル社会のことについても考えるようにしています。また3.については、事業・サービスがきちんとビジネスとして成立しながら、文化が育まれているかということです。

例えば2015年に立ち上げた“aeru oatsurae”事業では、京阪電気鉄道株式会社様よりご依頼いただき、2017年8月に誕生した、特別車両「プレミアムカー」のオリジナルブランケットを制作させていただきました。

プレミアムカーにかける想いやどんな車両にしていきたいのかというポイントを丁寧にヒアリングし、オーガニックコットンのブランケットを、京都の草木染の職人さんに依頼をして、プレミアムカーのコンセプトとして大切にしているキーカラーの赤色・山吹色で染めることでその「想い」を表現しました。プレミアムなブランケットということで、使い手に

クライアントが大変製品を気に入ってくださっただけでなく、製品を作った職人さんにも思い出深いお仕事になったようで、双方にとってとても良いプロジェクトになったと感じています。も、作り手にも、環境にも優しい素材としてオーガニックコットンをこだわって選びました。

“今”の誰かへの「想い」が “未来”につながる

ゼロからモノづくりをするという経験は今の時代、なかなか経験することがないと思います。既製品というものは近現代に生まれたもので、元々私たちは誰かのために想いを込めて必要な分だけ生み出すという文化を大切にきていたと思います。

TSUKURIBAを通じて「お誂えをする」ことは、モノに想いを込めるということを思い出し、日々の暮らし方や物事との対峙の仕方など様々な価値観が変わるきっかけになると思います。

何かモノを作る機会があるのであれば、「想い」に寄り添ったお誂えをさせていただきますので何でもご相談いただきたいと思います。

TSUKRUIBAのサービスをご利用いただきモノづくりにご参加いただくことで、全国の職人さんに仕事が生まれ、伝統が次世代につながっていきます。それは、今を生きる私たちだけでなく未来を生きる人たちのためにもなっていきます。

“今”のお客様のためだけはなく、未来のお客様にまで繋がるサービスとしてぜひご活用いただきたいと思います。

矢島 里佳
株式会社和える 代表取締役

「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、大学4年時である2011年3月、「株式会社和える」を創業。2012年には“0歳からの伝統ブランドaeru”を立ち上げ、2014年7月に東京・目黒に「aeru meguro」、2015年11月には京都・五条に「aeru gojo」をオープン。日本の伝統や先人の智慧を、次世代につなぐためにさまざまな事業を展開している。

※TSUKURIBAにおけるサービスの提供は株式会社和えるスタッフが対応をさせていただきます。
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